日本では大変身近な存在で、幼い頃の記憶と生活の中に息づいている「折り紙」。「子供の遊び」でありながら、それにとどまらない奥深さをもっている不思議な存在です。布施知子(1951―)はこの折り紙のスペシャリストです。一枚の紙を折ったユニット(パーツ)を組み合わせて立体作品を作る「ユニット折り紙」を代表する作家として有名で、世界各地で展覧会や実演会、ワークショップを行っています。
この展覧会では、布施が近年制作している数多くの作品の中から、「くす玉」や「アリ地獄」といった「ユニット折り」をはじめ、「スパイラル(らせん)折り」、「平折り」、「無限折り」、「ノット(結び目)による造形」など、多種多様な折り方によって無限の形と美しさを見せる折り紙の数々を展示いたします。
枯山水を表現したスケールの大きなインスタレーション《枯山水 in 葵》をはじめ、当館のアール・ヌーヴォー様式のダイニングルームの展示室2部屋、アール・ヌーヴォー様式のベッドルームの展示室1部屋の床全面を使ったインスタレーション3点《ゴールデン・スネーク》《シルバー・スネーク》《レッド・スネーク》を初公開。
日本人が「折り紙」に対して持っている固定観念を覆すような、力強く変幻自在な紙と折りの造形美をご紹介いたします。[美術館サイトより]