アサヒグループ大山崎山荘美術館ではこのたび、1930‐40年代に活躍した洋画家 松本竣介(1912-1948)の展覧会を開催します。竣介が生きた年代はまさに、大山崎山荘が建設され、多くの文化人や政財界の人たちが訪れた時代でした 。
1912(明治 45)年、東京に生まれた松本竣介は2 歳で岩手県に移り、聡明な少年に成長しますが、13 歳で病により聴覚を失いました。兄から油絵道具一式を贈られた竣介は17 歳で上京し、本格的に絵を学びます。1935(昭和 10)年二科展に初入選、36 歳で亡くなるまで探求をかさね、制作に情熱を注ぎつづけました。静謐かつ抒情を湛える竣介の作品は、今なお私たちを魅了してやみません。
群馬県桐生市にある大川美術館の創設者 大川栄二(1924-2008)が美術コレクションをはじめるきっかけとなったのは、松本竣介の作品でした。この展覧会では、大川美術館の所蔵する松本竣介コレクションを中心に、短い生涯のなかで確かな軌跡をのこした竣介の画業を、60点余りの作品とデッサンでたどります。[美術館サイトより]