古代中国の暦法では太陽の運行に従って冬至・春分・夏至・秋分を設け、その中間に立春・立夏・立秋・立冬を置き、季節の始まりとしました。「暦の上では春ですが」と言いますが、この春とは立春を指します。このような節目は節気と呼ばれ、季節の移り変わりが祝われてきました。
また同じく季節の節目を表す言葉に「節供(節句)」があります。特に1月7日・3月3日・5月5日・7月7日・9月9日をそれぞれ人日・上巳・端午・七夕・重陽と呼ばれ、江戸時代には五節供として定められたこともあり、季節の変わり目を祝う行事として民間にも普及・定着しました。
本展では当館の収蔵品を中心に、季節を祝う行事が現代にいたるまでどのように受け入れられ、受け継がれてきたのか紹介します。