京都工芸繊維大学美術工芸資料館は、京都を拠点に写真家として活動した畠山崇(1944-2022)の写真(ポジフィルム、スライド、デジタルデータ等)と関連資料の遺贈を受けました。それを記念して昨年2023年度より「畠山崇の写真」展をシリーズで開催しています。二回目となる今回は、「畠山崇の写真II 京都を切り撮る」と題して、地元京都を熟知した畠山が撮影し切り取った京都のさまざまな表情を紹介します。
 京都在住であった畠山は、京都の工芸の世界、芸事の世界、華道・茶道の世界とも繋がりが深く、いけばなや器の数々、茶事や祭事などの催し、京都の家々に伝わる古美術や神社仏閣、庭園などを写し撮ってきました。それらの写真は、『淡交』『なごみ』『陶説』といった専門雑誌のみならず、『別冊太陽』『和楽』などの京都特集に掲載されてきました。
 今回の展覧会では、北野天満宮や貴船神社、伏見の酒蔵など、京都の代表的な観光地でもある名所旧跡、祇園祭や京町家の情景といった京都ならではのイメージとともに、菓子や料理、日々の道具など京都の暮らしに欠かせないモノたちを切り取った写真をご覧いただきます。特に、身近なモノに注がれる畠山の眼差しには、「物撮り」を得意とした写真家らしい個性が宿っています。それは光と影そして形に対する冷徹な計算とモノの温かみの両方を同時に感じさせるもののように思われます。
 なお、今回の展示写真は35mmスライドフィルムのデジタルスキャンによるプリントと、4x5ポジフィルムをデジタルスキャンしたプリントで構成されています。雑誌掲載時の写真は誌面構成応じてさまざまにトリミングされていますが、今回はほぼ撮影時のままトリミングなしの状態でのプリントを展示しています。