北海道立近代美術館は現在、約6,000点の作品を収蔵しており、そのなかで「北海道の美術」は3,100点に及びます。本展ではこの「北海道の美術」コレクションをふたつの角度から活用します。
ひとつは、CAI現代芸術研究所/CAI03(札幌)の協力を得て、現代アーティスト9名がそれぞれ関心のある作品をピックアップし、自身の作品とともに展示します。過去の作品と現在の作品が、アーティストの眼と思考を通して関係づけられ、展示空間にいわば化学反応が起こることを期します。
もうひとつは、当館の学芸員10名が、同じく関心のある作品を選び、調査研究を深め、その成果を展示とテキストによりお伝えします。展示空間は、作品のテーマや歴史的な位置づけの掘り下げが共有される場となります。
オーストリアの文学者シュテファン・ツヴァイク(1881-1942)は、歴史上のある人物が創造的な役割を果たした決定的瞬間を、星のように輝く“Sternstunde”(星の瞬間)と呼びました。本展は、アーティストと美術館学芸員の複眼的なアプローチによる「北海道の美術」コレクションの読み直しを通して、過去の「星の瞬間」を明らかにするとともに、未来の「星の瞬間」の創出をねらうものです。[美術館サイトより]