画家・熊谷守一の次女であり、熊谷守一美術館の創設者でもある画家・熊谷 榧(かや) (1929〜2022)は、1950年代から本格的に登山・山スキーを始め、国内外の山に登り、その風景を作品として数多く残しました。

 少女時代を戦争の混乱期に過ごしたためか、いつしか「実生活に必要な食料や科学技術以外はすべて不必要である。絵とか音楽とか、すべてそういったものは、食い足りた上でのことだ」という考えを持つようになった熊谷榧を、再び絵の世界へと呼び戻した原点ともいえる、日本の山々を描いた作品をご紹介いたします。

 本展では、初期に制作された貼り絵作品を皮切りに、熊谷榧の水彩、油彩、陶絵作品を展示いたします。