初春のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は、中国の豊かな出版文化の歴史を再発見し、新たなブックデザインの道を切り開いたパイオニア、呂敬人(リュ・ジンレン)氏が登場します。
1989年、呂敬人氏が初来日し、杉浦康平氏との運命的な出会いを果たした当時、中国ではブックデザイナーという独立した職種がまだ確立されていませんでした。そのような時代に、杉浦デザイン事務所での学びを通して本の内容から全体を構築していく「ブックデザイン(書籍設計)」に開眼した呂敬人氏は、自国の豊かな伝統文化を研究しながら独自の方法論を確立していきました。
本展1階では、宋代の拓本を原寸大復刻した『朱熹榜書千字文』をはじめ、全長10mの巻物10巻を納めた『絵図五百羅漢詳解』、解説を読みながら実際に囲碁が打てる『忘憂清楽集』など、目を見張る豪華本全8点をダイナミックに展開。地階会場では、京劇やお茶、篆刻、他、中国の豊かな芸術文化、生活にまつわる多彩な書物を、呂氏による丁寧な解説とともに全27点ご紹介します。また、2階ライブラリでは、手にとって楽しめる作品集や自著なども展示します。
現代中国の多様な造本文化の礎ともなった呂敬人氏の書藝を、日本で大々的にご紹介するはじめての展覧会となります。「中国芸術の核心に迫る精緻なブックデザイン」の世界をぜひ体感ください。[公式サイトより]