京都に生まれた上村松園(1875–1949)は、美人画の第一人者として知られます。伝統を学びながら独自の人物表現を切り拓き、生涯にわたり理想の女性像を追い求めて描きました。それらの気品ある清澄な女性像の数々は、今日も観る者に深い感銘を与えます。60年間におよぶ画業を貫き、近代美術史に揺るがない足跡を残した松園は、日本における女性芸術家のパイオニアとしての位置づけも重要です。
松園が誕生して150年の節目を迎えるこの回顧展では、優れた作品群をご紹介します。《母子》(重要文化財、東京国立近代美術館蔵)、《序の舞》(重要文化財、東京藝術大学蔵)などの代表作をはじめ、初期から晩年までの100件を超える優品を展示して、その魅力に迫ります。
日本女性の凛とした強さや愛らしさ、伝統芸能に親しむ姿、暮らしの懐かしい情景など、その絵筆がとらえた女性美のうちに、松園がめざした豊かな表現世界をお楽しみいただきます。[公式サイトより]
前期:03月29日(土)~05月11日(日)
後期:05月13日(火)~06月01日(日)