本展では瀬戸市近郊の名古屋市を拠点に活動する3名のガラス作家、木下結衣、長野史子、矢野容子を紹介いたします。
 熔けたガラスの有機的な表情から生まれる生命感や完全にはコントロールできないために生まれる偶然性、透明性など、それぞれがガラスの特徴を起点に作品を制作しています。しかしながらガラスはその動きに反して無機物であり、光を収束させるために影を生み出すなど相反する性質も持っています。作品は最終的にはガラス特有の輝きを通して鑑賞者の目に映りますが、この光によって作品はガラスの両義性を孕んだまま作者の主題とするところをより強調して表出させます。
 3名の作家がガラスという素材をどのように捉え、扱い制作しているのか、そこから生み出される美しさを是非ご高覧ください。