現代人の遺伝子の起源を遡れば、16万年前、アフリカにいた一人の女性、ミトコンドリア・イブにたどりつくと言われている。それから6,500世代にわたる交配を繰りかえすなかで、私の遺伝子が形成されている。「ディープ・ラーニング」になぞらえるなら、入力層のミトコンドリア・イブの23,000の遺伝パラメータが6,500の中間層を経由して、出力層で私のアイデンティを生成したと言えるだろうか。かつての私の証明写真を元に、画像生成AIにより、100人のイブと100人のアダムを生成してみた。彼女、彼らもまた、ミトコンドリア・イブの末裔にほかならない。
これらは現状において「写真」とは認められないかもしれないが、写真がその意味と機能を拡張してきた歴史の延長線上にあることはまちがいない。