世界最古の絵画は 6 万年以上前に描かれた洞窟壁画といわれていますが、人類が色を使って表現したその瞬間から、現在にまで至る長い探究が始まりました。かつて、近代フランスの前衛美術グループであるナビ派の作家モーリス・ドニが「絵画とは、ある一定の秩序のもとに集められた色彩によって覆われた平面である」と言葉を残したように、絵画は作家が創出した色の世界です。オーギュスト・ルノワールら印象派は、色の三原色を基調とした筆触分割により革命を興し、色彩によって対象の真実を描き出そうとするフォーヴィストら多様な表現を生み出す起点となりました。

本展覧会では視覚芸術において大きな意味をもつ“色”に改めて注目。三原色のひとつでもある青色に焦点を当て、コレクションよりフランス・日本の近代から現代までの青に関係の深い作品と、併せてモノクローム(白黒)の作品を紹介します。

青の章では、モーリス・ド・ヴラマンクの荒天の空をはじめ、豊かな表情をもつ風景画、青をまとう人物画や静物画を。モノクロームの章では、藤田嗣治のしなやかな線描の銅版画や、津高和一の詩的な響きを感じる油彩画、濱田庄司の白釉の陶作品などを展観し、その色にひそむ作家の狙いや記憶を探ります。

会期中は、講演会やナイトミュージアム&顧問トーク、ギャラリートーク、BBミュージアムマルシェなど多彩なイベントを開催。また、青色のものを身に着けてご来館の方に、絵はがきをプレゼントします。