住友家15代当主、住友吉左衞門友純(ともいと)[号・春翠(しゅんすい)、1864-1926]が始めた美術品の蒐集は、長男の寛一(1896-1956)、16代当主友成(1909-1993)に引き継がれ、西洋・東洋に目を向けた優れたコレクションが形成されました。

とりわけ春翠が1897年の欧米視察旅行中にパリで購入した2点のクロード・モネは、日本にもたらされた最初期のモネ作品として特筆すべき存在です。住友家の須磨別邸には、このモネをはじめとする貴重な洋画コレクションが飾られ、まだ日本に美術館と呼べるものがなかった時代に日本の画家たちに鑑賞の機会を与えました。

本展覧会では、泉屋博古館(せんおくはくこかん)東京が所蔵する住友コレクションの中から、モネ、ジャン=ポール・ローランス、浅井忠、鹿子木孟郎、岸田劉生らによる名品約80点をご紹介します。

フランス絵画と日本近代洋画より厳選した名品の数々をお楽しみください。