華やかな装束の武者たちが力を尽くして戦う様を描いた合戦図。現在伝わる合戦図の優品は、江戸時代前期に制作されたものが多く、また軍記物などの文学作品や先行する類似作品を踏まえて描かれていることが知られています。
この展覧会では、源平合戦などの舞台となった瀬戸内海沿岸各地に収蔵される名品を集め、館蔵・寄託品とともに、屏風や絵巻などに描かれた近世の合戦図を展示します。源平合戦から太平記・戦国合戦まで、中世のいくさ物語の名場面を近世の絵画でご鑑賞いただきながら、文学作品を補助線として絵画作品を読み解く楽しみや、江戸時代の人々の歴史の受け止め方の一端をご紹介します。歴史・美術・文学の三分野の交点にある作品の魅力をお楽しみください。