雑誌『白樺』は西洋美術を広く一般に紹介したことでも知られています。その中心人物であった実篤は、西洋にとどまらず、東洋や日本の美術にも関心を広げていき、自分の手が届く範囲で古今東西の書画や工芸品を収集しました。「この世に生きる喜びの一つは、人間の純粋な心にふれることである。また美を愛することである」と語り、自分の心に響いた美術作品を集め、手もとに置き、日々楽しんでいました。
 実篤を惹きつけた美術作品には、どのような魅力があったのでしょうか。本展覧会では、実篤が愛蔵した「名品」をとおして、実篤の芸術観を展望します。