Veん(SYUNOVEN)は福島県会津生まれ、仙台在住。2003年頃より、渦巻きや螺旋といったかたちに惹かれ、それらの反復や運動性を手がかりに絵を描きはじめました。2013年頃からは、そうしたかたちに「菩遅(ぼっち)」という名を与え、その呼び名をめぐる一連のイメージを軸に制作を続けています。

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いまどのあたりにいるか
わからない

わからないことをするのは
わからないことを
わからないでいるようにすることなのか

それでもやらずにはいられない

ぼさつおくれ
おつとめ考古学サービス

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「考古学サービス」とは、Instagramのプロフィールに表示されるカテゴリラベルのひとつです。数年前、プロフィール編集画面でカテゴリを検索していたとき※たまたまこの名称を見つけました。「考古学」という学術的な響きと、「サービス」というビジネス用語的なカタカナ英語が組み合わさった、これまで耳にしたことのない日本語の響きに惹かれ、同時にそれが創作に何かあたらしさをもたらすかもしれないという希望があり、その日以来このラベルを表示しています。

※ Instagramのカテゴリラベルは、完全な一覧が一般に公開されていない。ユーザーがプロフィール編集時に利用できる検索式のリストが、カテゴリにアクセスする唯一の手段となっている。

Instagramがアメリカ発のサービスであることから、英語圏では “Archaeological Service” と表示されていたものが、機械的な自動翻訳によって「考古学サービス」と訳された。この機械翻訳由来の、語感のずれによって生まれた奇妙な日本語に、創作のある一面を託してみる—— そんな、どうなるのかわからない密かな取り組みがあったここ数年間の作品を軸にした展示となります。

会期中の毎土曜日にはイベントも開催予定です。詳細はInstagramにて。