「人間とは何か」を描き続け、戦後の奇才と称された鴨居玲(1928-1985)。金沢美術工芸専門学校(現 金沢美術工芸大学)で宮本三郎に師事し、フランス、ブラジル、イタリアそしてスペインなど様々な国を巡るなかで「おばあさん」「酔っぱらい」などのモティーフに出会い、自身の画風を確立させていきました。自身にとって「写実」とは見えないものを描くことであるとし、人間の内面、己の理念を人物像などのモティーフを通して描き出した鴨居。
 本展では、自画像の画家と呼ばれた鴨居の初期から晩年までの「自画像」、スペイン滞在時に生まれた「酔っぱらい」、帰国後に新たな挑戦として取り組んだ「女性像」、信仰に対する問を表現した「教会」など、これら鴨居芸術において重要な要素であったモティーフに着目し、鴨居が描こうとした人間の心と心の関係、鴨居の芸術像を紹介します。また、『週刊読売』で連載された、陳舜臣のエッセイ『弥縫録 中国名言集』のために手掛けた挿絵原画の一部も展示します。

《ギャラリートーク》
■会場:美術館「えき」KYOTO
■日時:2025年6月14日(土) 14:00から
■講師:長谷川智恵子氏(笠間日動美術館副館長・株式会社日動画廊代表取締役副社長)

※各回約30分。マイクを使用し、会場内を移動しながらお話しいただきます。
※事前申込不要。ご参加には美術館入館券が必要です。
※混雑した場合は、入館制限をさせていただく場合がございます。
※展示作品やイベント内容が変更、または中止になる場合がございます。予めご了承ください。