国文学者・歌人の折口信夫(1887‐1953)は、高岡市ゆかりの万葉歌人、大伴家持の歌の価値を早く見い出し、強い個性を表現した歌人であると評しました。折口もまた、強い個性をもって万葉集を研究し、独創的な文学理論を次々とうち建てました。「古代」とは折口にとって、現代生活の中で実感されるべきものであり、折口の理論は、読書から得た知識と旅で得た体験とを融合させて得られたものでした。その折口の「父子墓」は、能登・羽咋に静かに立っています。本展では、折口の学問や創作の跡を、弟子の池田弥三郎家に所蔵された資料を中心に展示・紹介し、折口が能登・越中に見い出した「古代」を探求します。