美術館に展示してある作品は、美しくて楽しいものばかりではありません。一見しただけではわからないけれど、実はこわい場面や不思議なものが描かれていることがあります。
過去の作品を振り返ってみても、人類は美しいとは言いがたい、奇異な作品を生み出してきました。視覚的に恐怖を感じさせる作品、美しいものをわざと奇妙に表したり大胆に変形したりした作品、生み出された背景を知ることで不気味さを感じる作品など、その表現はさまざまです。不思議なことにそのような作品は、鑑賞者の心を強く揺り動かす力を持っています。
本展では所蔵品の中から、美しさだけでなく、ある種のこわさや気味悪さを感じる美術作品を紹介します。作品を観て感じる「ぞわぞわ」、「ゾクゾク」や「モヤモヤ」といった違和感と向き合ってみてください。