和歌山県立近代美術館はその名前にあるように、近代以降、つまり日本における明治から今日(こんにち)までの美術を収集の対象としています。近代のはじまりは世界の各地域によって異なりますが、それぞれの国が外国との関わりを強く意識することになった時代でした。日本にとっては西洋との関わりから、現代につながる美術という価値観が広がっていきます。
その間150年あまり、この国は大きな世界戦争を直接に経験し、その後ますます世界と大きく関わって、現在の私たちの社会を作り上げてきました。今の世界はひと昔前とどのように違うのか、また今の私たちがこの先どのような世界を作り出すのか、昭和という時代から数えて100年目、また戦後80年という節目のこの夏、開館55周年を迎えた和歌山の美術館としての目線で考えてみたいと思います。[美術館サイトより]