フェリックス・ベルトランという人物の重要性は、その人生や文化的な面がイベロアメリカ(スペイン語やポルトガル語が使われる中南米諸国を主とする地域)と結びついている点にあります。キューバ生まれのベルトランは地元カリブ文化をはじめ、バウハウスの構成主義、アイソタイプ、アメリカン・モダニズム、スイス派、即物主義写真、コンクリート・アート(幾何学的抽象)、ミニマリズム、およびポップアートなど、さまざまな芸術運動の影響を受けながら精力的に活動しました。彼の作品は政治・社会的にも文化的にも、彼が生きた時代を証明しています。イベロアメリカのグラフィックデザインに関する17年に及ぶ研究を経て開催される本展では、20世紀のグラフィックデザイン文化において新たな物語を構築した相互関連的な取り組みとして、出版とキュレーション、書籍と展示の関係を、デザイナーたちが制作した象徴的なイメージや、エフェメラルな印刷物を通して振り返ります。大きな影響力を持つ作品を通じて強力な政治・社会的メッセージを投げかけるイベロアメリカ・デザインの歴史や重要性を理解する上で、これらの展示物は主要人物のひとりであるベルトランに新たな光を当ててくれることでしょう。[公式サイトより]