鈴木ヒラク(1978年生)は、未知のかたちと出会い続けようとする現代のアーティストです。身近な環境の中で発見した解読できない記号のようなかたちを媒介として、光を反射するマーカーやスプレーによる即興性の高いドローイングを実践します。それは、世界にひそやかに存在する未知の「なにか」に、自らの身体を介してアプローチし、掘り起こそうとする行為だといえます。北海道余市町のフゴッペ洞窟や小樽市の手宮洞窟は、鈴木ヒラクに重要なインスピレーションを与える場です。
本展では、鈴木ヒラクがフゴッペ洞窟に足を運んだ後、1920‐30年代に描かれた三岸好太郎の絵画を展示する空間において、2日間をかけて新たにドローイングを行ないます。フゴッペ洞窟の壁画の写真や、鈴木ヒラクがフィールドワークした同壁画をふくむ世界各地の洞窟壁画のスケッチも紹介するとともに、地域の高校生とドローイング制作の場を共有するワークショップも行います。[美術館サイトより]