当館は、1974(昭和49)年、金沢市北安江町において、安江孝明氏(1897-1997)により開設されました。金箔打ちの名人と言われた安江氏は、金箔職人の「誇りとその証」を後世に伝えたいという思いから、私財を投じて工芸館を建設し、金箔製造の道具類や蒐集した美術工芸品を公開しました。
 その後、「財団法人安江金箔工芸館」となり博物館登録を経て、1985(昭和60)年安江氏の米寿の記念に金沢市へ寄贈し、「金沢市立安江金箔工芸館」として新たな歩みを始めました。2010(平成22)年には装いも新たに金箔の箔打ちのゆかりの地である東山へ移転し、今日に至っています。
 昨年は工芸館が開設されて50周年が経過し、本年は金沢市に移管されて40周年、当地東山へ移転して15周年を迎えます。この節目に、これまでの50年間の歴史を振り返ります。