神戸に生まれ、関西を拠点に活動した作家、木下佳通代(1939 – 1994)の個展を、日本国内の美術館で初めて開催します。
木下の作家としてのキャリアは、60年代、前衛美術の集団「グループ〈位〉」の活動に携わったことから始まります。そして、70年代には、写真を用いながら、イメージと知覚、物質の関係を考察する作品を数多く手がけました。その極めて理知的なアプローチは、同時代のコンセプチュアル・アートの世界的潮流と呼応しており、ヨーロッパでも高く評価されます。80年代には、抽象絵画へと表現の軸足を移します。一筆ごと一筆ごと、自らの感覚を鋭く問いながら作り出された絵画は高い緊張感を備えており、彼女の表現の集大成とも呼べるものです。
本展は過去最大規模の木下の個展となります。ごく初期の作品から、代表作、そして絶筆にいたる彼女の活動を一堂に紹介し、今あらためてその表現の全貌に迫ります。[美術館サイトより]