明治以降に西欧から学ぶことから始めた日本の建築、建築家はいま、世界的に注目されています。とくに戦後は数多くの日本人建築家が世界で活躍するようになり、日本古来の伝統や技術、思想や自然観を現代建築へと昇華させる挑戦的で実験的な建築が、国際的に高い評価を得ています。なかでも建築界で最も権威ある“建築界のノーベル賞”と称される「プリツカー建築賞」の受賞者数は8組(9名)と、アメリカと並び世界最多を誇っています。
「ひろしま国際建築祭」は、古来より海外から人や文化を招き入れ、海を通じ文化交流を行ってきたここ瀬戸内を、日本の建築文化を発信する場にしたいという想いから構想されました。その初開催を記念する展覧会として、プリツカー建築賞受賞日本人建築家9名が一堂に会した展覧会「ナイン・ヴィジョンズ:日本から世界へ 跳躍する9人の建築家」を開催します。国際的に活躍し、強い発信力を発揮している9名の建築家のヴィジョンを解き明かし、未来へとつなぐ建築の力とその可能性を探求します。