■開催概要
当ギャラリーでの個展開催は2019年から2度目となります。今回も「若杉聖子の具足展」と題し、祈りの道具である花立・香炉・茶湯器・仏飯器・高杯などの具足を約100点展示いたします。繊細で柔らかな造形で表現された作品展です。


■作家紹介
若杉聖子(わかすぎ せいこ)/陶芸家
1977年 富山県富山市出身
2000年 近畿大学文芸学部芸術学科卒業
2003年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2011年 京都精華大学 非常勤講師(~2014年, 2015年~2019年)
2015年 文化庁新進芸術家海外研修制度研修員(リモージュ・フランス)(~2016年)
2018年 滋賀県立陶芸の森アーティスト・イン・レジデンス ゲストアーティスト(~2019年)
2019年 京都市立芸術大学 講師(~2020年)
2020年 京都市立芸術大学 准教授
2024年 制作拠点を兵庫県三田市より京都市へ移す
石膏型を用いた鋳込み成形にて白磁の作品を制作し、鋳込みの特性を活かした造形を追求している。2020年兵庫県芸術奨励賞受賞。


■開催によせて
毎日掃除をし、当たり前の日常に感謝すること。コツコツと石膏を削り、モノを作ること。私にとって「祈り」とはそんな些細な日々の積み重ねです。大事なモノを納めるうつわや花器、香のための道具など、心を込めてお届けいたします。ご高覧いただけますと幸いです。 若杉聖子


■心の拠り所として寄り添える道具たち。新作の香炉を含め約100点を展示
昨年から制作拠点を京都市に移し、活動されている若杉聖子さん。その製法は、鋳型に流し込んで形作った白磁を無釉で焼き上げて仕上げています。今回の展示会では、新たに型を起し制作された香炉を新作としてお披露目されるほか、花立や水入れなど約100点が展示されます。

今作について「自分が大切にしたいものを入れる特別な器としての存在であること、心の拠り所として寄り添える道具であることを目指して制作している」と語られています。白磁の陰影が生かされた柔らかなラインと、凛とした佇まいが神聖さを感じさせる作品をぜひご覧ください。