この度HAGIWARA PROJECTSでは、11月5日(水)より今井俊介の個展“Singular Pluralities”を開催いたします。
今井俊介のユニークなアプローチは、たなびく布のイメージを絵画に取りいれたことです。日常の中にある色や形から着想を得て、それを絵画へと変換し、ときには立体や映像へと展開していきます。抽象と具象、二次元と三次元を自由に往来するその手法からは、今井ならではの世界観が広がっています。
風に揺れる旗を思わせるストライプは、カモフラージュや国旗のようにも見え、観る人にさまざまなイメージを想起させます。色彩の重なりからは奥行きや層の錯覚が生まれ、地と図、イメージと物質といった相反する要素を軽やかに行き来する構造が浮かび上がります。
また、同じ図柄をもとにしながら複数の絵画や異なる形式の作品を展開する点も、今井の表現の大きな特徴です。そこには、ひとつのイメージが無数の可能性を内包していることを、鑑賞者が体感できるように示す意図が込められています。



作家略歴:
1978 年 福井県生まれ、東京都在住。2004 年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主な個展に、「スカートと⾵景」東京オペラシティアートギャラリー(2023, 東京)、「スカートと⾵景」丸⻲市猪熊弦⼀郎現代美術館(2022, 香川)、「range finder」Kunstverein Grafschaft Bentheim (2019, Neuenhaus, ドイツ)、「第8回 shiseido art egg今井俊介 “range finder”」資生堂ギャラリー(2014, 東京)など。主なグループ展に「⽇本現代美術私観:⾼橋⿓太郎コレクション」東京都現代美術館 (2024,東京)、「いろ・いろいろ。 ⾊と作品の世界。」福井県⽴美術館(2021, 福井)、「MOTコレクション ただいま/はじめまして」東京都現代美術館 (2019, 東京)、「Reborn - 未来を発明 コレクション x 現代作家」福井県立美術館 (2019, 福井)、「絵画の現在」府中市美術館(2018,東京)、「オープンシアター KAAT 突然ミュージアム 2016」KAAT神奈川芸術劇場(2016, 神奈川)、「となりの人びと -現代美術in春日井」春日井文化フォーラム (2016, 愛知)、「VOCA展2015 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」上野の森美術館 (2015, 東京)、「絵画の在りか」東京オペラシティアートギャラリー(2014, 東京)など。