2025年11月06日掲載
佐藤健博展 pollard
galerie 16
- 会期
- 2025年12月09日~2025年12月20日
◉作家ステートメント
制作をしながら手元にある枝を見て、剪定された元の樹木を想像します。私たちの利用目的が何であるにせよ、切られたあとも樹木は生を継続していくのだとしたら、切り落とされた部分からは萌芽し、今はもう異なる枝に置き換わっている可能性もあります。近所の街路樹の枝先の瘤さえ、想像を補ってあまりある時間の形として見えるのは、その形成過程を、私たちはなんとなく知っているからではないでしょうか。
自分の作品の説明をするとき、いつも言葉が足りなく感じてしまう理由は、そういった複雑な時間について、素材として扱う私自身の想定を軽々と超えてしまっているところにある、と考えるようになりました。今回少しでも、その透明な歴史に追いつこうと、根源的な剪定方法としても知られる、「台刈り」の英訳である、「pollard」という単語をタイトルに据えています。 剪定は、過去を踏襲し、未来を想定した現在の一回性の行為です。今見えている形は、人の要請と 樹木からの妥協点が積み重なって、双方から更新され続ける関係性の履歴なのです。
本展示は、木材を用いた立体作品と、水彩による絵画作品で構成されます。立体作品は、素材となる木材の、それまでの成長過程における人との関わりが顕著に視覚化されるよう、複雑な構造として再構成され、絵画作品では、イメージが成り立つ色と形を、水や(乾燥するための)時間といった被支配的な要素によっても決定していきます。どちらも直接的、間接的に剪定という行為に内包されている、複雑な時間と同質の手順を踏んで制作されたものです。これらの一連のプロセスは、視差を伴う曖昧な経緯となって鑑賞者に作用することを望みます。
- 展覧会名
- 佐藤健博展 pollard
- 分類
- 企画展
- 会場
- galerie 16
- 会期
- 2025年12月09日~2025年12月20日 Googleカレンダーに登録📅
- 開館時間
- 12:00 ~ 18:00(最終日17:00まで)
- 休館日
- 月曜日
- 住所
-
605-0021 京都府京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3F
- 公式サイト
- http://www.art16.net/
- 公式SNS
- お問合せ先
- info@art16.net


