18世紀はじめ、東洋磁器の熱烈な蒐集家であったアウグスト強王の指導の下、ヨーロッパで初めて硬質磁器が焼成され、現在のドイツ・ザクセン州にマイセン窯が誕生しました。ヨーロッパで憧れの的であった中国や日本の磁器を模倣した意匠は、次第に西洋風のアレンジがなされ、今日私たちの知る華やかなマイセン磁器が生み出されていきます。製作所には養成学校が付属し、高い技術を身に着けた職人が長く伝統を守り継いできました。
戦後の東ドイツにとってもマイセン磁器は重要な産業であり続けましたが、1960年頃からのマイセン磁器を支えたひとりに、ハインツ・ヴェルナー(1928-2019)がいます。マイセン近郊のコズヴィッヒに生まれ、養成学校を経て1948年に20歳でマイセン磁器製作所に入り、生涯にわたってマイセンの仕事を続けました。彼の描きだす装飾は、マイセンの伝統を継承しつつ、アトリエの周りの美しい自然、メルヘンな物語世界を着想源にして常に新しく展開していきました。本展ではマイセンの新しい時代を築いた絵付師の巨匠ヴェルナーの世界に着目し、愛にあふれる現代マイセンの麗しき磁器芸術をご紹介します。

<関連イベント>

■講演会「響き合う二つの陶磁器の調べ 柿右衛門〜マイセン
巨匠ハインツ・ヴェルナーのメルヘンの世界へようこそ」
日時:11月23日(日・祝)午後2時から
講師:荒川 正明 氏(学習院大学教授、本展監修者)
会場:多目的スタジオ(入場無料)
 
■アート・カフェ“マイセン磁器とコーヒー”

ハインツ・ヴェルナー氏デザインのマイセンのカップ&ソーサーで、マイセンのコーヒーを味わいながら、コレクターのレクチャーをお聞きいただけます。

日時:12月13日(土曜日)、14日(日曜日)各日午後4時から
講師:勝川 達哉 氏(アンティークアーカイヴオーナー)
会場:美術館カフェ「juju 130 CAFE」
参加費:2,000円、要観覧券​
定員:各日15名(応募者多数の場合は抽選となります)

【申込方法】
お申し込みは、おはがきか、ウェブからのお申込みをお願いいたします。
おはがきの場合は、(1)氏名、(2)郵便番号、(3)住所、(4)電話番号、(5)参加ご希望日をご記入の上、下記までお送りください。
〒963-0666 郡山市安原町字大谷地130-2 郡山市立美術館「アート・カフェ係」

応募締切:12月1日(月曜日)

■美術講座
(1)「マイセン窯とヨーロッパの名窯」
日時:12月7日(日曜日)午後2時から
講師:当館学芸員
会場:多目的スタジオ(入場無料)
(2)「ハインツ・ヴェルナーの装飾」
日時:1月18日(日曜日)午後2時から
講師:当館学芸員
会場:多目的スタジオ(入場無料)

■ギャラリートーク
日時:12月20日(土曜日)、1月11日(日曜日)午後2時から
講師:当館学芸員
会場:企画展示室(要観覧券)​