蔵王山をテーマに撮り始めたのは2002年頃、樹氷を撮ったのが最初でした。観光気分で降り立った山頂駅は猛吹雪。一歩も外に出ることなく山を降りたのが最初です。その後 4 日通って奇跡的に晴れ渡った空と樹氷を撮った時の感動は今も忘れられません。それから5年通いつめ、この山を熟知するようになり2007年日本カメラ社から作品集「蔵王山」を出版。同時に写真展を開催いたしました。

蔵王はお釜と樹氷が有名で山としての側面が軽視されがちです。今回の写真展では四季の移り変わりを縦軸に北、中央、南蔵王をそれぞれ宮城、山形県を横軸に表現します。

また当時の写真界はフィルムからデジタルへの移行期でした。今では使われなくなった ポジフィルムに依るクリスタルプリントとアルミパネルの大型作品はフィルム時代の完成形です。35mm. 6×6、4×5、8×10 インチ判カメラを駆使して作り上げた作品は、今では感じられない重量感を持って心に響いてきます。同時にデジタル作品も額装で展示します ので、違いを感じていただくのも一興かと思います。

私が蔵王山にかかわって感じた事は神や仏のいる山だということ。長い時間の中でこの 山とともに生きた人々の生き死にや生活、自然に対する感謝や恐れ、祈りを感じていただければ幸いです。

青木克純

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《関連イベント》ギャラリートーク
日 時  2025年12月14日(日)14:00~
講 師  青木克純 氏(写真家)
※申し込み不要
※入場には当日の観覧券が必要です。