影山萌子は、個人と世界のあいだに生じるリアリティのずれや断絶をテーマに、「人と土地」「自己と都市環境」という視点から制作を行ってきました。フィクションの風景を思わせる絵画や立体作品を通して、実在の場所の光景や記憶を再構成しています。
本展では、都市景観を手がかりに個人と社会の関係を探ってきたこれまでの「内と外」という視点に、近年加わった「入る・出る」という感覚が重ねられます。都市への関心から、人工的につくられた観光地、より私的で内省的な空間を経て、再び都市へと戻っていく―その思考と制作の移行を、一つの流れとして提示します。
展示される作品は、閉じた構造としての都市に分け入るような感覚から生まれたものです。それらのイメージは、都市に蓄積された時間や経験、そして個人との関わりを静かに浮かび上がらせます。本展が、私たちが周りの世界とどのように向き合っているのかを見つめ直すきっかけになれば幸いです。