Rollでは3年ぶりとなる写真家・村越としやの写真展を開催します。本展では、2012年3月から撮影を続けている福島県浜通りに面した太平洋の写真の中から、福島第一原子力発電所の核燃料の冷却に使用された汚染水の海洋放出が始まった2023年8月24日から2025年3月16日までの9枚の写真を展示、販売します。村越としやが写した9枚の海を鑑賞する。無題と題された9つの海を鑑賞している。それぞれの海を見て、それぞれの海を見つめる。

『東日本大震災から15年が経つ。 出来事を過去として整理するには十分に長い時間だが、 未だ収拾がつかないことも多く残り続けている。何かが終わったと言うには、あまりに短すぎる時間だ。忘却とは、単に記憶が薄れることではない。 そこにあったはずの軋みのような重力が透明な空白へと変質してしまうことだ。私は、その空白が空白のままであることを見続けるために、 ファインダーを覗き、シャッターを切り、フイルムに光を当てる。簡単には解決されることのない物事に対する、静かな抵抗の痕跡として、私は、その場に立ち、見ることをやめない』 ── 村越としや