書の枠を超え、抽象表現の先駆者として独自の表現世界を切り拓いた篠田桃紅の作品を、音楽という視点から再考する企画展です。桃紅の作品には、旋律のように流れる線、共鳴する余白、静寂と緊張が共存する構成など、音楽的感性と響き合う要素が随所に見られます。
桃紅は、生涯にわたり文学のみならず、音にも深い関心を寄せてきました。墨の一筆一筆は即興演奏のような緊張感を孕み、金や銀のきらめきは音の余韻のように画面に広がります。本展では、こうした造形的特徴を「音」「リズム」「間」といった音楽的視点から読み解き、桃紅の表現に内在する新たな側面を紹介します。
また会場では、作品と音楽との対話を意識した展示構成を通して、視覚と聴覚が交差する体験を提供し、桃紅芸術の本質に迫ります。絵画と音楽、それぞれの抽象表現を重ねて比較することで、これまで気づかれることのなかった桃紅作品の新たな魅力が立ち上がります。静けさの中に潜む響きや、抽象の奥に宿る感情の震えなど、作品が内包する目に見えない気配に耳を澄ませるとき、桃紅の作品が奏でる音楽を感じ取ることができるはずです。

企画展示 音声ガイドのご案内
本展では、作品と音楽との対話を意識した展示構成となっております。
ご来館の皆さまご自身のスマートフォンを使用して、音楽と作品解説を聴きながら鑑賞いただけます。ご来館の際には、ぜひご自身のスマートフォンとイヤホンまたはヘッドホンをお持ちください。*受付でイヤホンの販売もしております。

作品と音楽・解説が織りなす新しい鑑賞体験を、どうぞお楽しみください。