本展では大和文華館所蔵品の中から、古より想いを伝える手段として用いられてきた和歌と手紙に関連する作品を集めて展観します。古人のしるした書跡や歌物語を描いた絵画、そして歌人の姿を描いた歌仙図など、和歌と美術は深く結びつき、ともに愛されてきました。また、古人の書簡も、したためた人物の個性があらわれたものとして珍重されてきました。書簡の中には体調や心情を綴った内容も時折見られ、古人の生きた日常が垣間見える面白さがあります。
そして、平戸藩松浦家に伝来したことから「松浦屏風」の愛称でも親しまれている国宝「婦女遊楽図屏風」には、手紙をしたためている様子の女性が描かれています。それだけではなく、手紙を受け取ったり読んだりしている女性も描かれており、「松浦屏風」において手紙が重要なモチーフであったことがうかがえます。人びとが想いを託してきた和歌と手紙の様相を美術品から見ていく展覧会です。