〔展覧会概要〕
藤田紅於の初個展となる本展では、別々に撮影した2枚の写真を合成した写真作品を展示いたします。
手作業のデジタルコラージュによって制作された細密なイメージを通じて、時間に侵食された事物の姿と、そこに暮らしてきた人々の微かな気配とを浮かび上がらせることに取り組んでいます。
この機会にぜひご高覧ください。

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新興住宅地は清潔で均質な生活空間として生産され、販売される。しかし実際にはずっと均質なわけではなく、人々が暮らしはじめたその瞬間から、事物同士が結びつくことによって均質さは失われていく。事物は人知れず、結合を強めたり緩めたりしながら、目に見えない輝きをオーロラのように放ち、我々には知覚できないほどゆっくりと変化していく。そして変化の先にあるのは消滅であり、いま目の前に広がる家や花壇や公園の遊具は、消えていく過程のなかで静かに佇んでいる。

− 藤田紅於