《鳥とあそぼう》をめぐる思索

「野外彫刻とはなにか」を考えるシリーズ展第2弾、今回は1960年に山内壮夫によって制作され、今も東新川緑地(通称:三角公園)に設置されているセメント製の彫刻「鳥とあそぼう」をテーマとした企画展です。

展示では石炭産業とセメントの関係やセメント彫刻の系譜を辿るとともに、2024年から山内壮夫のリサーチを続けてきた広島県在住の美術家、友定 睦による新作インスタレーション《After Permanence》を展示します。

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作家のことば(抜粋)

本作では、現在を生きる子どもを3Dスキャンおよび3DCGによって造形化し、デジタルデータがもつ非物質性と永久性から立ち現れる現代的な視覚表現を取り入れて制作した。また、鳥は子どもから切り離され、独立した存在として配置されている。子どもは鳥を指差しているが、両者はもはや一体ではない。しかし、幼い子どもは言葉ではなく指差し行為によって世界と関係を結び、そのあいだには目に見えないつながりが立ち上がる。
現在において、子どもや鳥はもはや単純な象徴ではなくなっている。さらに、セメントという素材に対する神話的な信頼や、社会そのもののあり方も揺らいでいる。もし今日が「After Permanence」──すなわち、永久的だと信じられてきたものが終わった後の時代であるならば、これから何が残り、何が持続していくのかを、あらためて問い直す必要があるだろう。
セメントは劣化していく素材である一方で、「つなぎ直す」ことのできる性質を持っている。たとえセメント彫刻のかたちが失われていったとしても、セメントのように彫刻と人との関係性をつなぎ直すことで、記憶は更新され続けていく。

友定 睦(ともさだ むつみ)

1989 年兵庫県生まれ。2014年広島市立大学大学院芸術学研究科彫刻専攻修了。
公共空間に存在するものに関心を寄せ、人との関わりの中で静かに変化する状態から新たな物語性や彫刻性を探り、立体や映像、パフォーマンスなどを用いてインスタレーションを制作する。