本企画展では、主に江戸時代の浮世絵、ならびに明治から昭和期にかけて活躍した美人画家たちの作品、そして人間国宝作家による人形作品をご紹介しています。

展示室4では、浮世絵の中でもとりわけ、歌川広重による《東海道五十三次》や、歌川豊国《名妓三十六佳撰》、揚州周延の作品を展示しています。名所を描いた風景画から人物表現に焦点を当てた作品までをご覧いただくことで、風景・人物・物語といった浮世絵の多彩なジャンルを幅広く俯瞰していただける構成となっています。

展示室5では、近代美人画を代表する鏑木清方、上村松園に加え、清方を師として肉筆画・版画の双方で独自の美人画表現を確立した伊東深水の作品を展示しています。

さらに本展では、人間国宝作家である野口園生による女性人形も併せてご紹介します。野口は浮世絵の美人図に着想を得て、その造形や佇まいを人形という立体表現へと巧みに昇華し、独自の表現世界を築き上げました。人形と版画という異なる媒体の表現が響き合うことで、近代における「美の再発見」ともいえる広がりを、より豊かに感じていただけます。