いわき市小川に所在する長福寺は、奈良・西大寺を総本山とする真言律宗の古刹として知られます。いわき市には長福寺をはじめ真言律宗の複数の寺院や、金沢文庫ゆかりの真言律宗別格本山称名寺と鎌倉時代に密接な交流のあった、真言宗智山派の古刹・薬王寺(いわき市塙)が所在することも知られています。国宝・称名寺聖教のうち『宝寿抄』は、その薬王寺にて書写されたものです。
 本展覧会はこれらの寺院に伝来する文化財と、金沢文庫が保管・管理する国宝称名寺聖教と金沢文庫文書から関連するものを合わせて展示し、いわき地方で展開した中世寺院史の一端を、金沢文庫との係わりから明らかにしたいと思います。