京都・福田美術館の若冲がやってきます!《果蔬図巻》と《菜蟲譜》の関東初競演、おなじみの鶏、知らなかった人物画など、若冲の多彩な魅力をご紹介します。福田美術館のコレクションが関東でまとまって公開される初の機会です。

佐野市立吉澤記念美術館を代表する所蔵品《菜蟲譜》(さいちゅうふ、重要文化財)は、江戸時代中期に京都で活動した伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう、1716-1800)の晩年の代表作です。青物問屋の4代目主人という出自を想起させる果蔬(野菜や果物)という主題は初期から作例が散見されるものの、多数の果蔬を着色で描く画巻は他に類例のないものとされてきました。しかし近年、《菜蟲譜》の前年の制作を示す「七十六歳」の款記を持ち、内容的にも関連の深い《果蔬図巻》(かそずかん、福田美術館所蔵)が存在することが判明しました。本展は、関東において初めてこの2つの画巻が競演する機会となります。共通点と相違点を実際に見比べていただくことで、《菜蟲譜》の描写の特質と魅力をより深くご理解いただけることと思います。

また、《果蔬図巻》を所蔵する福田美術館からは、このほか17点の若冲作品がやってきます。同館の若冲コレクションの約半数がまとまって観られる関東では初めての貴重な機会です。若冲のトレードマークの鶏や鶴、あまり知られていない人物画など若冲の多彩な主題をお楽しみいただきます。また、《果蔬図巻》の制作契機と関係の深い淀川下りの旅を描いた拓版画巻《乗興舟》(じょうきょうしゅう)、《菜蟲譜》の制作背景としても注目される大坂の芭蕉顕彰活動など、若冲をめぐる交友関係もご紹介します。

佐野市立吉澤記念美術館では初めて、若冲作品だけで構成する「若冲展」となります。
おなじみの若冲、知らなかった若冲、どうぞお見逃しなくご観覧ください。

※吉澤記念美術館の重要文化財《菜蟲譜》は、期間限定公開(11月10日(火)~12月13日(日)、途中巻替えあり)。