ヤノベケンジ「ルナ・プロジェクト」――アンダ−・ザ・ホライゾン
会場:キリンプラザ大阪
会期:1998年12月11日(金)〜1999年1月17日(日)
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ヤノベケンジの大阪での個展は、 98年春の東京での「ルナ・プロジェクト――地上最後の遊園地」展とは、異なるスケールを持ったものになっていた。4つのフロアに、導入も含めてわかりやすく空間が構成されていた。今回の個展を印象づける大きな要素のひとつとして「巨大シェルター・ブンカー・ブンカー」という作品がある。半分地中に埋もれたように展示されたこのシェルター内部は明るく、清潔だ。酸素ボンベ、子どもの頃の記録をとどめたテープやレコーダー、テレビ、ディズニー映画のフィルムなどさまざまなものが載みこまれている。わたしたちは皆いつまでもとどめておきたい思い出を持っている。ノアの箱舟にも、タイムカプセルのようにもみえる。会場内につくられた地上の風景は映像でできており、なにもない砂漠をひたすらに歩く アトムスーツの人、大海原におちる夕日をみつめる後ろ姿などが流れる。そんな映像のひとつに、英語のナレーション入りのモノクロのものがあった。イントロに例の アトムカーに流れていた曲がついている。ずいぶん前につくられた原爆の投下時にどう対処するかを写した米国の教育フィルムだときいた。こんな映像をバックに??アトムカーがシェルターの横を走りまわる。
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「巨大シェルター・ブンカー・ブンカー」内部
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会場風景
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200円いれてレバーを回すと米、ビタミン剤(?)、塩、紅茶&角砂糖etc.といったサバイバルグッズが出てくる「サバイバル・ガチャポン・プロジェクト」も、機知に富んだ遊び心が作品に反映されている。 ヤノベは黄色いアトムスーツを着て、実際にチェルノブイリの町を歩いたときのことを、スケッチにメモ付けて残し展示していた。そこには高濃度の放射能汚染地域であったとしても、故郷を捨て切れない人たちとの出合いが記されていた。ヤノベは「現実」と遭遇してしまった。 |
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「もうすんだとすれば」〜次世代アーティスト4人が示す「僕らの日常」
アーティスト:斎藤公平、玉井健司、前堀浩二、横山豊蘭
会場:大阪市北区天神橋2-2-10 ハイ・マウントビル602号室
会期:1999年2月8日(月)〜2月14日(日)
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開室:12:00〜20:00 *2月11日のみ11:00〜17:00
入場料:200円
お問い合わせ:090-8122-6177(山川)
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70年代に生まれたアーティスト達が2DKのマンションの1室おいて、「私たちの日常」という視点から人と人との関わりについての多様なありかたを示そうとするもの。
*関連イベント:公開トーク「Home Sweet Home」 |
会場:Contents Label CAFE2階
大阪市中央区北久宝寺2-3-1(tel.06-261-9900)
日時:2月11日(木・祝)18:00〜20:00
テーマ:リアル/ライフ イギリスの新しい美術
内容:椿昇(美術家)をホストに、出品作家4人の公開トーク。
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中村政人展「QSC+mV」
会場:キリンプラザ大阪
大阪市中央区宗右衛門町7-2
会期:1999年1月22日(金)〜2月21日(日)
開場:11:00〜19:00 会期中無休
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入場無料
お問い合わせ:tel.06-6216-6578
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大阪一の繁華街ミナミの心斎橋を歩いている人を振り返らせてしまっているのが、中村政人の「QSC+mV」だ。1階エントランスに黄色い「M」がつらなって光るサークルに誘われて、小さな子ども連れの家族が入ってくる。円のなかに入って、見慣れたこのサインをしげしげと観ている。なんとも微笑ましい光景だった。大阪展では、「トコヤマーク ソウル-大阪-福岡-秋田」(92年)といった過去の代表作なども含めて展示されている。中村の作品は、わたしたちの都市生活になかで頻繁に目に飛びこんでくるイメージによってがつくり出されている。「トラウマトラウマ」は、部屋を取り囲む4つの壁に4つのコンビニのストライプをロゴを抜いて同じ店のものを縦に反復させている。普段は気にもとめていない、当り前の日常の風景。既視感をもった表面を剥がしてもってきてアートというフィルターを通しただけでこんなにも刺激的なものに変身してもいいのだろうかとさえ思った。Q=quality, S=service, C=cleanが結び付いて、V=valueを生むというマクドナルドの企業理念を質・コミュニケーション・純粋と読み替え、さらに「m」はアートとしての係数を掛けたというこのコンセプトの明解さ、この明解さがあるからこそ多くの人にこの作品も受け入れられるのだろう。同時に展開されている「美術と教育」についてのインタヴューも、美術という切り口からさまざまな問題につながっていっていて興味深い。
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オーストリア現代建築展
「ミニマルを超えて BEYOND THE MINIMAL」
アーキテクト:リーグラー・リーヴェ、ARTEC、アドルフ・クリシャニッツ、PAUHOF
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ピーター・アリソンのキュレーションのもと4組の建築家によるプロジェクトのドローイング・模型・写真によって構成される。彼らは若く、ローカルであることとインターナショナルであることの両立を自覚した世代で世界的な注目を集めつつある。
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酒井章憲のメディア・アート展
運命へのバイオ・インターフェイス
会場:パナソニックデジタルアートスクエア
大阪市中央区城見2-1-61ツイン21ナショナルタワー1階
会期:1999年1月9日(土)〜2月28日(日)
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装置を指に着けることで、脈拍が計測され、そこから伝わった信号で映像の流れに変化が及ぶというシステムになっており、自身の身体の動きを映像の変化によって視覚によって感じてみようというもの。また別の作品は、息を吹きかける時に送られる風の強弱で、スイッチが2つの結果のどちらかを選択。息を吹きかけている間に動いている絵筆が完成させる作品を決定づけるというもの。「体感」するメディア・アートと銘打つ酒井の作品は、脈などの身体から直接送られる信号をデジタル化するという、キーボードやスイッチというものとは異なるインターフェイスから、新しいコミュニケーションのありかたを模索している。
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釈永道代展
アーティスト:釈永道代
会場:CAS
大阪市中央区内淡路町2-1-7都住創内淡路MD Art内
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非営利のオルタナティブスペース「CAS」の第1回の企画展は八木昌宏(富山県立近代美術館学芸員)のキュレーションによるもの。作品は2台のスライド・プロジェクターから交互に壁に投影される映像だ。釈永がコンピュータ上で作り出したフォトコラージュやスピログラフ(穴の部分にボールペンをさして回すと自動的に曲線による幾何学模様が描ける器具)を合わせた100枚の画像は、彼女が集めた雑誌の切り抜きであったり写真だったりする。雑誌のなかの人の気配や温もりのない、空々しいインテリアと、舞台のうえで衣装を着けて踊るダンサーという非日常的な組み合わせがあったかと思うと、植物の一部が用いられたセクシーな印象を受けるもの。さまざまな組み合わせや、色の変換が繰り返されている。みているうちに、なんとなく釈永チックなものをその傾向から感じる。彼女が日ごろ問題としていることや好むもの。静かな闇のなかで自分がまるで映像空間のなかに入り込んだような不思議な錯覚をもった。
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会期:1999年1月15日(金・祝)〜3月14日(日)
開館:10:00〜17:00 休館=月曜日
入場料:一般800円、大高生600円、中学生以下無料
お問い合わせ:tel.0797-38-5432
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