工悦邑は岡山市街地から車で1時間ほどの、広い谷あいで榎本勝彦、草間雄、白石齊のアーティスト3家族が暮している。
もとから地元住民や周辺のアーティストとのかかわりを求めて様々なイベントを実施してきたが、その広大な敷地を活用しての屋外アンデパンダン展を実施。今回がその2回目となるが、呼びかけ人に37名、実行委員に40名が名を連ねる万全の体制をひき、そこから周辺に声を掛け合って、なんと出品者130名、その他に10のコンサートやパフォーマンスが実施される。
実に立派な作品配置図まで作成されているが、そこに記された呼びかけ人、実行委員、出品作家の名前を見ると、日頃から元気よく頑張っている学生から始まって岡山の美術関係者の大半が網羅されているようで、ここに名前がない私などはもぐりのような気分になる。
これだけのものを作りこむ作業量たるや凄まじいもので、また第1回から確実に成長している様をみると、核となったメンバーの方々には心から敬意を表したい。ほんとに凄い。
もちろん日頃制作活動をしているわけではない方もいるなど、キャリアの差は様々であるから、開会前の雨(晴れの国 岡山では珍しく2日も続いた!)で早くも損傷した作品もあるなど屋外展示の困難さをしみじみと感じさせるシーンもあったが、のんびりとした谷あいをオリエンテーリングよろしく作品を見つけながら歩くのはなんとも気持ちがよい。
時折、おっ!と言う作品があると、ああなるほどと言う作家さんであったり、初めて目にする名前があって後で聞いたら学生さんだったり。逆に名前があったはずと思いつつも目につかなかったりと、130人のバトルロイヤルは壮観であった。
オープニングからの人出も好調で、広い敷地内のどこでも人が見えなくなることはなかった。岡山のような地域でも、これだけのイベントを作り上げる活力があり、またそこに人が集うことを感じられて、なんとも心嬉しくなる散策であった。