井上明彦、柏原えつとむ、藤本由紀夫という個性的な3人による展覧会。柏原の作品は、箱の中に8個の箱が入っていて、それらの中にまたさらに作品が入っているので、一つずつ出しては、開いてみなくてはならない。中から出てくるテキストをひとつひとつ読んでいるとついつい夢中になっていた。その間、同じくらいの間隔をおいて「ガシャ〜ン!」という大きな音が聞こえていた。はじめ、画廊の外から聞こえてくる工事かなにかの音かと思い、音がするたびに屋外を振り返って見ていた。その音こそ藤本作品だったのである。2001年の
ヴェネツィア・ビエンナーレに出品が決まった藤本。中村政人、畠山直哉との組み合わせで日本館がどんな空間になるのか。藤本がけっこうキーパーソンかもしれない。