home
The Best of 1997/1998
1997年のアートシーン/1998年のアートシーン

倉林 靖 美術評論家(美術評論家連盟会員)
1997年のアートシーン

1――評価した展覧会/イベント/作品など
《ポンペイの壁画展――2000年の眠りから甦る古代ローマの美》 横浜美術館(4/12〜6/15)ほか

めったにみることのできない作品群を高度な技術によって日本で目のあたりにすることができた。ローマ時代の美の底深さを知ることができて大変興味深かった。ルネサンスを通して西欧文化の本流となるものの見方を多く確認できた。

2――活動が印象に残った人物
内藤 礼
鯨津朝子

内藤さんはヴェネツィアとドイツで、また鯨津さんはダイムラーベンツのスカラシップによってそれぞれ作品が海外でも発表されたが、それぞれ正当な評価をうるべき作家と思っていたので素直に喜んだ。

3――記憶に残った動向/トピックスなど
●セゾン美術館閉館のニュース

日本経済と文化の低迷を実感させられた。

●アッシジのフランチェスコ教会天井崩壊のニュース

本当に胸の痛む出来事でした。関係者の修復の努力に応援したい気持ちです。

1998年のアートシーン

1――期待する展覧会/プロジェクト/作品など
《河原温――全体と部分展》 東京都現代美術館

河原温の全貌をはじめて見る機会なのでワクワクします。

2――活躍が期待される人物
小林健二

昨年(1997年)著書『ぼくらの鉱石ラジオ』が好評だったので、著書の企画がずいぶんあるとのこと。アートを越えたアーティストの活動としてすごく興味をそそられる。

3――1998年はどのような変化があると思いますか
こういう予想はできないし、あまり意味がないと思います。ノーコメント。

ポンペイ
《ポンペイの壁画展》
「アテナ、ベレロフォンとペガサス」
写真:横浜美術館

nmp.j 1997年8月21日号
「たくさんのものが 呼び出されている」
内藤礼とのフランクフルトの5時間
●森 司

フランクフルト
写真:Museum fur Moderne Kunst
撮影:Axel Schneider

nmp Column 1997年4月1日号
《アートシーン90-96
水戸芸術館が目撃した現代美術》
●名古屋 覚

鯨津朝子
鯨津朝子
「INSIDE-OUT wind OUTSIDE-IN」
写真:水戸芸術館

nmp.j 1997年7月24日号
作品ガイド:ヴェネツィアビエンナーレ
●名古屋 覚+村田 真


川原温
川原温「ヴェトナム」1965年
写真:東京都現代美術館
撮影:Andre Morin







Copyright (c) Dai Nippon Printing Co., Ltd. 1998