ArtDiary ||| 村田 真のアート日記 |
|
||
|
|||
|
|||
6月13日(金)
13日の金曜日、ヴェネツィア着。考えてみれば、ヴェネツィアにはもう6回目だが、いつも違ったルートで入ってる。最初は鉄道でサンタルチア駅着だった。次は飛行機でマルコポーロ空港に着き、陸路バスを使った。その次は空港から水上タクシーだった。今回は空港からバスでローマ広場まで行き、そこからヴァポレット(水上バス)の順。 |
|||
6月14日(土)
6月のヴェネツィアはいつもカラッと晴れてるのに、今日は珍しく曇りのち雨。ビエンナーレは昨日までの3日間がプレスオープンで、明日から一般オープン。従って今日は休みなので、菅原君と美術館を巡る。パラッツォ・ドゥカーレ→アカデミア美術館→ペギー・グッゲンハイム・コレクションの順。これは美術館管理運営学の岩淵潤子さんもいってたことだけど、イタリアの美術館や博物館はアメリカなんかに比べて総じてひどい。コレクションの扱いや展示がズサンで、まるで日本のリゾート地の美術館にありがちなホコリ臭い場末の雰囲気が漂う。アカデミアなんか、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、ヴェロネーゼの逸品があるというのに……もったいない。もっと工夫しろって。 |
|||
6月15日(日)
10時にビエンナーレ会場のジャルディーニ着。11時から授賞式。国際賞はマリーナ・アブラモヴィッチとゲアハルト・リヒター、国別賞はフランス館が獲得。若手作家に贈られる2000年賞にはダグラス・ゴードン、ピピロッティ・リスト、レイチェル・ホワイトリードが選ばれた。特別賞はティエリー・デ・コルディエ、マリー=アンジュ・ギルミノ、それに韓国のイク・ジュンカン、なぜか北欧館から出ている森万里子の4人。確か前回も韓国と日本から1人ずつ受賞してたっけ。日本企業が贈るベネッセ賞は、ギリシャのアレクサンドロス・プシコウリス、っていうんだろうか読み方さえわからないヒト。しかし発表を聞いても、まだ会場を見てないんで「なるほどやっぱり」とか「そりゃヘン」とかいえませんなあ。 |
|||
6月16日(月)
朝、ホテルで菅原君と児島さんと打ち合わせの後、再びジャルディーニへ。昨日見られなかった運河の向こうのパビリオンを見る。ルーマニア、ポーランドは、とりたてていいってわけでもないけど、シゴトしてるって感じ。制作のモチベーションがひしひし伝わってくる。 |
|||
6月17日(火)
サンマルコ広場のコレール美術館で開かれてる「アンゼルム・キーファー展」へ。なんだかキーファーがドン・キホーテに見えてくる。常設のゴシックbルネサンス時代の宗教画を堪能。出る時、入場料を払ってなかったことに気づく。トクした。道に迷いながらも、パラッツォ・フォルチュニーへたどり着く。ここでは50〜60年代のビエンナーレの資料が公開されている。64年にアメリカ代表のラウシェンバーグが大賞を獲った話はもはや伝説化しているが、その年アメリカ館はラウシェンバーグだけでなく、ジョーンズ、ステラ、チェンバレンらも出品していたことを初めて知った。 |
|||
……次号アート日記 | |||
|
top | ||
review feature interview photo gallery |