新宿・王城ビルにて、ジャン=リュック・ゴダールの映像表現の革新性をひも解き、映画の新たな鑑賞体験を提示する展覧会「ジャン=リュック・ゴダール《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展」が、開催されています。

本展は、ジャン=リュック・ゴダール監督最後の長編作品であり、カンヌ映画祭でパルム・ドールを超越する賞として、映画祭史上初の「スペシャル・パルムドール」を受賞した『イメージの本』(2018)を、映像インスタレーションとして再構成。スイス、ドイツ、フランスなど各国で開催してきた関連展示のうち、最大級の展示規模となります。

<ジャン=リュック・ゴダール>
1930年、フランス・パリに生まれる。50年代から映画批評家として活動し、『勝手にしやがれ』(1960)で長編映画監督デビュー。ヌーヴェルヴァーグの旗手として知られ、映画史に多大な影響を与えた。代表作に『気狂いピエロ』(1965)、『ウィークエンド』(1967)、『万事快調』(1972)などがある。

展示の構成と各章のテーマ

■第1章「リメイク」(2F手前)
映画における「リメイク」という概念がテーマとなっている空間。何枚も重ねられた布の間を、来場者が回遊するように往来します。

■第2章「サン・ペテルスブルグの夜話」(2F奥)
戦争をテーマにした章。床に置かれたテレビの数々は「墓」をイメージしており、戦争に関する映像が流れています。

■第3章「線路の間の花々は旅の迷い風に揺れて」(3F)
映画と列車の関係性がテーマ。初めて列車を見て興奮する少女の映像などが映し出されています。

■第4章「法の精神」(4F)
モンテスキューの『法の精神』をテーマにした章。6~7台のプロジェクターと複数の布が使われており、その布が揺れることで法や社会の揺らぎが表現されています。

■最終章「中央地帯」(4F)
「幸福なアラビア」をテーマにした幻想的な雰囲気のインスタレーション。展示の最後には、ダンスシーンやエンドロールを模した、映画の終わりをテーマとした映像が流れます。

会期:2025/7/4(金)~2025/8/31(日)
会場:王城ビル(東京都新宿区歌舞伎町1-13-2)
開館時間:12:00〜20:00(入場は閉館30分前まで)
入場料:一般=2,200円、大学生=1,500円、中高生=1,000円、小学生以下=無料、障がい者=1,500円
主催:《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展 実行委員会
問い合わせ先:E-mail:godardtokyo@gmail.com
公式サイト:https://godardtokyo.com