「MMM × artscape ミュージアムグッズフェア vol.2」のグッズの選定を務めた大澤夏美さん[撮影:artscape編集部]
現在、東京・銀座のMMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)では、artscapeと連携した企画「MMM × artscape ミュージアムグッズフェア vol.2」を開催しています(2026年3月26日まで)。2024年に続く第2弾となる今回は、artscapeが創刊30周年を迎えたことを記念し、同じく周年イヤーを迎えた4つのミュージアム──横手市増田まんが美術館、静岡市美術館、豊田市美術館、九州国立博物館──をフィーチャー。今回も、artscapeの執筆者でありミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんにご協力いただき、趣向を凝らしたグッズを厳選しています。周年記念アイテムや各館の「推し」グッズの魅力を、大澤さんと共にご紹介します。(artscape編集部)
ミュージアムのテーマや作品を体現する、個性豊かなグッズたち
横手市増田まんが美術館
[撮影:吉屋亮]
◆大澤夏美さんのオススメ
(1)釣りキチ三平マグカップ〈四万十川のアカメ〉 2,530円(税込)
[撮影:吉屋亮]
大澤──最近、マンガ系のミュージアムに注目しています。マンガは、アートでありながら、また異なる側面も持っていて面白い。なかでも横手市増田まんが美術館は、収蔵作品もグッズもとても魅力的です。特にこのマグカップは、矢口高雄先生の圧倒的な画力が炸裂しているので、絶対にご紹介したかったんです。
──このシーンは、いまでもSNSでたびたび話題になりますね。
大澤──描かれているのは、第18章「四万十川のアカメ」の巨大なアカメ“潜水艦”との対決を描いた名シーン。激流の描写がとにかく緻密で、遠近感と水の表現、魚の躍動感が本当に素晴らしいんです。カップの底に潜水艦がひっそり待機しているところもいいですね。
(2)釣りキチ三平マンホールコースター 990円(税込)
[撮影:吉屋亮]
大澤──美術館のエントランス前にあるマンホールは、多くの来館者が撮影する人気スポット。私もマンホール好きなので、「グッズになったらいいな」と願っていました。何になるのかな? ステッカーかな? と思っていたら、なんとコースター!
──まさに、あのマンホールがそのまま小さくなったようです。
大澤──最高の形でグッズになりましたよね。ラバー製で水に強いですし、少し高さがあるのも使いやすい。これをデスクに置くだけで、あのエントランスの光景を自宅で再現できるところもポイントが高いです。
◆横手市増田まんが美術館ミュージアムショップ・グッズ担当さんのオススメ
ウオオォータオル 660円(税込)※
「当館名物『ウオオォーソファ』をモチーフに、多くの物事の成功を繰り返す縁起の良い言葉として使用される『御多織留』とオノマトペ『ウオオォー』を掛けた横手市増田まんが美術館完全オリジナル商品のフェイスタオル。販売経路が美術館のみという点&お求めやすい価格帯でお土産に大人気!」(ミュージアムショップ・グッズ担当さんのコメントより)[撮影:吉屋亮]
※通常は横手市増田まんが美術館現地のみでの販売商品となりますが、今回のフェアでもご購入いただけます。
横手市増田まんが美術館
所在地:秋田県横手市増田町増田字新町285
ミュージアムショップのサイト: https://manga-museum.stores.jp
静岡市美術館
[撮影:吉屋亮]
◆大澤夏美さんのオススメ
Shizubiオリジナルカップ 2,200円(税込)
[撮影:吉屋亮]
大澤──静岡市美術館は、館内がとにかくおしゃれで、ピクトグラムに至るまでデザイン性が高い。このロゴマークも奥行きを感じさせるデザインで、あらゆるクリエイティブを受け止める「器」のようにも見えます。
──確かに、平面でありながら立体を感じるロゴですね。
大澤──「平面だけではもったいない、立体のグッズもみてみたい」と思っていたら、カップといういちばん理想的な形で実現してうれしいです。ロゴをデザインされたアートディレクターの柿木原政広さんご本人が手がけられていて、白地に黒のラインという潔さとスタイリッシュなフォルムが、美術館の佇まいにも重なります。
◆静岡市美術館ミュージアムショップ&カフェスタッフさんのオススメ
Shizubi CARD 各種350円(税込)
「2010年の開館時、アーティスト鈴木康広さんの代表作《まばたきの葉》がエントランスホールに展示されました。それから15年。周年の記念に、《まばたきの葉》をろうそくに見立てたバースデーケーキのドローイングを新たに鈴木氏に描いていただきました」(ミュージアムショップ&カフェスタッフさんのコメントより)[撮影:吉屋亮]
大澤──このカードは初めて拝見しました。15周年の記念グッズですね。
──はい。今回のフェアにちなんだミュージアムショップの方からのオススメで、静岡県ご出身のアーティスト・鈴木康広さんが15周年の記念に描き下ろしたカードです。
大澤──アーティストの方と共に周年を祝う姿勢がいいですね。富士山のイラストもかわいいし、どれも素敵。箔押し加工や紙質の良さも相まって、これ自体がひとつのアートピースのようです。額装して飾りたくなりますね。
静岡市美術館
所在地:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3F
ミュージアムショップのサイト: https://shizubi.jp/museum_guide/cafe/
豊田市美術館
[撮影:吉屋亮]
◆大澤夏美さんのオススメ
(1)UP+CIRCLE BAG【mini】 1,980円(税込)
[撮影:吉屋亮]
大澤──近年、さまざまな美術館のアップサイクルグッズが話題になっています。なかでも、豊田市美術館の展覧会のバナー(屋外幕)を洗浄して作成した「UP+CIRCLE BAG(アップサークル・バッグ)」は特に評判が高いです。切り出された部分によって一点一点表情が変わるので、どれも世界にひとつだけのバッグ。そこも大きな魅力ですね。
──持ち手のデザインやカラーリングも絶妙なアクセントになっています。
大澤──デザインは、豊田市内のデザイン事務所、洗浄や縫製は障がい者就労支援を行なうNPO法人が手がけています。地元の方々と一緒にものづくりができるところも、ミュージアムグッズならではの良さですね。
(2)横山奈美《LOVE》トートバッグ 4,400円(税込)
[撮影:吉屋亮]
大澤──収蔵作品である横山奈美さんの平面作品《LOVE》を大胆にあしらったトートバッグです。作品の縦横の比率をそのまま活かしてグッズにしているところが、最大のポイント。これは、使う用とコレクション用で、2つ欲しくなります!
──このサイズ感のトートバッグは、なかなかないですよね。
大澤──作品への愛を感じますね。いわゆる定型サイズのアイテムに作品を収めようとすると、どうしても絵が小さくなったり、余白ができたりします。定型外のものづくりにはコストもかかりますが、それでも作品を忠実にグッズに落とし込もうとする姿勢は素晴らしいと思います。
◆豊田市美術館ミュージアムショップグッズ担当さんのオススメ
ハンカチーフ/グスタフ・クリムト「オイゲニア・プリマフェージの肖像」 1,980円(税込)
同館の所蔵作品の一部をクローズアップして仕立てたハンカチーフ。「コットン100%ですので、肌触りが良く、スカーフとしてもお使いいただけます。受付監視業務スタッフも着用しております」(ミュージアムショップグッズ担当さんのコメントより)。部分ごとに異なる多様な色彩。身につけるたびに作品の新たなお気に入りポイントを発見できそうです[撮影:吉屋亮]
豊田市美術館
所在地:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
ミュージアムショップのサイト: https://www.museum.toyota.aichi.jp/visit/museumshop.html
九州国立博物館
※九州国立博物館のグッズはフェア会場では展示のみ。九州国立博物館オンラインショップにてご購入いただけます。
※「埴輪鹿トートバッグ」「装飾古墳ポーチ」「鬼瓦リフレクタートートバッグ」は次回2026年3月中旬入荷予定。
[撮影:吉屋亮]
◆大澤夏美さんのオススメ
(1)抱える! 埴輪鹿トートバッグ 3,300円(税込)※
(2)装飾古墳ポーチ 王塚古墳形 2,000円(税込)※
中央奥:「抱える! 埴輪鹿トートバッグ」/右:「装飾古墳ポーチ 王塚古墳形」[撮影:吉屋亮]
大澤──九州国立博物館といえば、『針聞書(はりききがき)』の虫のグッズが有名ですが、20周年記念グッズもたくさん作られたので、ぜひ注目していただきたいです。このトートバッグもそのひとつ。底面が埴輪の足に合わせてデコボコしている、なんとも個性的なデザイン。この少し後ろを振り向いている、愛らしい表情もいいですよね。
──20周年限定では、もったいないですね。
大澤──あまりの人気にすぐ品切れしてしまったほどなので、ぜひ定番化してほしい! 実物の3/4スケールというサイズ感も絶妙で、「このバッグにこれだけ入るなら、実物の埴輪はこれくらいの大きさかな」と逆算して想像が膨らむのも、博物館グッズならではの面白さです。
「王塚古墳」をモチーフにしたサガラ刺繍のポーチにも一目惚れしました。芝生を表現するために何種類もの緑の糸が使い分けられていて、細部にまでこだわりを感じます。モコモコとした質感も、まるで古墳の柔らかな芝生を撫でているかのよう。
──実は、ポーチの「内側」にもこだわりがあるそうですね。
大澤──そうなんです。内側の布地は石室の壁画の色彩を再現していて、ポーチを開くとまさに「古墳の内部」が広がる仕掛け。こちらも現在、非常に人気です。こうやってグッズを作ることで、埴輪や古墳ファンの方がこんなにいるんだ、とその存在が改めて可視化されるのも興味深いですね。
◆artscape編集部のオススメ
鬼瓦リフレクタートートバッグ 1,800円(税込)※
「しっかりとしたキャンバス地に鬼瓦がプリントされたトートバッグ。A4サイズの書類がたっぷり入る大きさです。銀色のリフレクター印刷がヘッドライトの光などを反射します」(公式サイトより)。学芸プロデューサーの橋本麻里さんを迎えて共同企画された、九州国立博物館の20周年記念オリジナル商品のひとつ[撮影:吉屋亮]
九州国立博物館
所在地:福岡県太宰府市石坂4-7-2
ミュージアムショップのサイト: https://kyuhaku-museum.shop
周年で見えてきた、これからのミュージアムグッズのかたち
──今回、周年を迎えたミュージアムのグッズがこうして集まったことで、改めて感じたことはありましたか?
大澤──「●周年」という節目は、そのミュージアムのテーマや収蔵品をグッズを通してアピールする絶好のチャンスなんだなと感じました。例えば、九州国立博物館は、これまで『針聞書』の虫のグッズが不動の人気でしたが、今回の20周年で多彩な記念グッズを展開したことによって、その「次の一手」が見えてきた気がします。
九州国立博物館の『針聞書』グッズ[撮影:吉屋亮]
──大澤さんにとって、予期していなかったグッズはありましたか?
大澤──静岡市美術館のように、ゆかりのある作家さんに、周年記念の絵を描き下ろしてもらい、グッズにする試みは新しい発見でした。現代作家さんの作品をグッズ化するには、難しい部分も多いと思いますが、こうして担い手として共に周年を祝い、盛り上げていくことは、今後のミュージアムグッズの方向性としてありですよね。私自身もとても勉強になりました。
今回も、各地の魅力的な美術館を銀座(MMM)でご紹介できて良かったです。まずは、このイベントでグッズの楽しさに触れていただき、次はぜひ、現地のミュージアムにも足を運んでほしいですね。
[撮影:吉屋亮]
※本企画開催にあたり、ご協力いただきました多くの皆様に心より感謝申し上げます。
MMM × artscape ミュージアムグッズフェア vol.2
会期:2026年1月23日(金)~3月26日(木)
※日曜・祝日は休館(B1Fライブラリは月曜日も)
会場:MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド) 3階アートスペース(東京都中央区銀座7-7-4 DNP銀座アネックス)
公式サイト:https://www.mmm-ginza.org/event/backnumber/index.html#event260123
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