会期:2024/02/10〜2024/02/25
会場:Galerie LIBRAIRIE6[東京都]
公式サイト:https://librairie6.com/?p=6415

リトアニア出身で、アメリカ・ニューヨークで映画作家・詩人として活動したジョナス・メカス(1922-2019)は、プライヴェートな場面を日記のように綴っていく映画でよく知られており、日本にもファンが多い。今回の東京・恵比寿のGalerie LIBRAIRIE6の展示には、詩人の吉増剛造が代表を務める「メカス日本日記の会」が所蔵していた作品を中心に、写真、ポスター、書籍などが出品されていた。

メカス自身も、自作の映画のカットを連続的に2〜3枚縦に並べてプリントした「フローズン・フィルム・フレームズ/静止した映画」と題する写真シリーズを制作し、友人たちのスナップ写真も多数残している。だが、今回の展示で特に面白かったのは、詩人の鈴木志郎康、写真家の大森克己、折原恵らが日本各地やニューヨークで撮影した、メカス本人が写っているポートレートだった。あらためて見直すと、ジョナス・メカスという人物の、じつに魅力的な風貌が印象深く目に残る。特に構えているわけではないが、その穏やかなたたずまいが、街の景色と自然体で溶け込み、気持ちのよい雰囲気を醸し出しているのだ。ピーター・ビアード、オノ・ヨーコとジョン・レノン、ナム・ジュン・パイクなど、多彩な交友関係がうかがえる写真、映像も興味深かった。居心地がよくて、会場での滞在時間がつい長くなってしまう展覧会だった。

鑑賞日:2024/02/10(土)