「相互作用」を意味するinter-activeからもわかるように、作品と観者のあいだに一定の相互作用をもたらすことが意図された作品の総称。現在インタラクティヴ・アートというと、コンピュータなどのハイテクを駆使したメディア・アートの別名として受容されている観があるが、その射程はもっと広く、言葉本来の意味に即せば、ダイナミズムを称揚した未来派、運動力学を重視したキネティック・アート、A・カプローらの環境芸術、そしてパフォーマンスやイヴェントなどの身体表現も、すべてインタラクティヴ・アートに含まれる。それが現在、「インタラクティヴ・アート=メディア・アート」というコンセンサスが成立してしまっているのは、無論コンピュータに代表されるハイテクの操作が、身体や知覚機能の著しい拡張をもたらすからなのだが、実はそのことは早くも今世紀の初頭にN・ガボの『リアリズム宣言』(1920)によって予見されていたことだった。知覚の一時的な麻痺が観者の環境意識を刷新するというガボの視点は、今日のハイテクなインタラクティヴ・アートにもそのまま対応するものなのである。
(暮沢剛巳)
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