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展覧会レビュー

村田真 原久子

金村仁個展
  12/11〜26 ヴォイスギャラリー[京都]
 
 
金村仁個展

金村は「タイル」の造形を通してこれまでも作品をつくってきた。このたびは写真に記録として残せない(撮影不可能な)展覧会だったが、記憶には鮮明に刻まれている。タイルに映り込んだヴィジュアルを写真に撮り、それをさらにタイル状に正方形に区切り、目地の部分を加えて壁にタイルが張り込められたような展示になっている。画廊に入ると、ただの黒いタイルが張ってあるだけのように一瞬見えるが、そこには、女子トイレと男子トイレの手洗い場の様子が左右に展示され、さらに定番である男子トイレのタイルはブルー、女子トイレのタイルはピンクというのが、そこはかとなく印画紙に現われている。とはいっても、これはアーティスト本人から聞いたから、「はハ〜ん」と思うことかもしれない。私に作品を褒められたのは初めてだと作家から言われてしまった。そうだったかな……。
[12月11日(火) 原久子]

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光の記憶 -VIEW/SOUND-
  12/5〜22 ギャラリーKURANUKI[大阪]
 
 
光の記憶 -VIEW/SOUND-
片山雅人のペインティングと金沢健一の音を奏でる鉄の彫刻が織り成す視覚と聴覚を融合させた展覧会。音を視覚的にみることは、もしかするとこれまでにもさまざまなかたちで経験してきたのかもしれない。すでにこの展覧会は京都に巡回したときにも訪れていたのだが、会場の構成や環境の違いからか、まったく印象の異なる展覧会となっていた。大阪展のほうがずっと京都でのものより好意的に見ることができた。そう感じるのは、自分自身で「みる」こと「きく」ことができたからだろうか。京都の会場には監視員がいる。時として、こういう方の存在が、作品に積極的に関与できないシチュエーションをつくってしまう場合がある。けっしてその人のせいだとは思いたくないのだが。静かな密室のなかにこういう人と2人きりにされると、よけいに困るのであった。そしてもっと都合が悪かったのは、監視員さんの交代時間に遭遇してしまい。片方の人がいかにこの作品を体験するかを、もう一人にたっぷり語ってしまっていたのであった。
[12月14日(金) 原久子]
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写真新世紀
  〜12/21 モーダポリティカ[東京]
 
  プライヴェートな情景をパチパチ撮ってペタペタ貼っただけのスナップ写真はもうあきた。そんなのばかり多いせいか、今井紀彰のマンダラのようなフォトコラージュは存在感があった。生年を見ると、ほかの入選者が1974−81年の生まれなのに、今井だけが1964年と飛びぬけて離れている。年の功というより世代間のギャップでしょうね。ちなみに、入場者のアンケートを見るとやはり70−80年代生まれが圧倒的に多く、にこちゃんの母(1967年生まれ)でさえ自分の年にあらためて愕然としていたようだが、ぼく(1954年生まれ)くらい離れるともうなにも恐くないもんね。
[12月14日(金) 村田真]
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川内倫子写真展「花子」
  11/22〜12/23 リトルモア・ギャラリー[東京]
 
 
川内倫子写真展「花子」
佐藤真監督の映画『花子』の主人公にもなったアーティスト、今村花子をとらえた写真展。ものを真正面から見すえる花子の目の厳しさに慄然とさせられる。いまどきこれだけ一途な視線と表情をもった若者がいるだろうか。周囲は疲れるだろうけど。
[12月14日(金) 村田真]
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大阪トリエンナーレ2001
  第3期 11/30〜12/23 CASO海岸通ギャラリー[大阪]
 
 
1、2期の展示を見逃してしまい、やっと最後の3期めに見に行く。グランプリの賞金は1000万円、いくつかある他の賞の賞金も500万円と破格。私もアーティストだったなら、一度は応募してみたい、かもしれない公募展だ。一昨年までは絵画、彫刻、版画の3部門に分かれていて、トリエンナーレといえども、毎年やっていた。3部門が統合されて、というのかジャンル分けがなくなり一本化されてから初めての開催となった。3月にバンコクで出会ったタイの作家の作品も入選して展示されていた。受賞して日本に行ってみたいと言っていたが、それはかなわなかったようだ。作品と再会できたことを喜び帰宅。
[12月14日(金) 原久子]
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藤本由紀夫 アートプロジェクト「和歌の浦の丘」
  11/3〜2002/3/3 新和歌の浦高津子山展望台周辺[和歌山]
 
 
藤本由紀夫 アートプロジェクト「和歌の浦の丘」
藤本由紀夫 アートプロジェクト「和歌の浦の丘」
久しぶりの和歌山。天気も良好。入り江に面した丘(山かな?)の上に「屋上の耳」(イスに座ると塩化ビニールの筒が左右の耳の位置から長く伸びている作品)シリーズが設置されている。目の前に広がる海の水面に太陽が反射してきらきら光っていて、何だかとってもステキな気分(藤本マジック!!)。筒なしで、ワークショップで参加者がつくったイスだけを置いた場所では、目の前に広がる景観をゆっくりと見ることができる。帰りに食べたクエ鍋も適度な脂肪分と触感が美味しかった(途中で寄った謎のアルタミラ美術館もタイヘン怪しげでした。いつなくなるかわからないので、是非これからアートプロジェクト「和歌の浦の丘」行こうとされる方は、こちらにも立ち寄られることをお薦めします)。
[12月15日(土) 原久子]
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