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黒田記念館[東京] |
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小学館『日本の美をめぐる36 黒田清輝』の締切が来週に迫ってるっちゅーのに、いまごろのそのそ黒田記念館を訪れる。重文の《湖畔》はショーユ味、裸婦3部作の《智・感・情》はミソ味で、その他多くは発酵すらしてない。でも晩年の《嵐》はオーヴェール時代のゴッホのような壮絶なバタ臭さが漂って妙に惹かれる。ついでに東博の本館にも寄るが、黒田は1点しかなく(1作家1点ずつしか展示してない)、あまり参考にならない。
[10月26日(土) 村田真] |
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立川国際芸術祭2002 |
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10/20~11/10 立川市内各所[東京] |
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造形大の学生を連れて校外授業。チーフ・キュレーターの平松洋氏に案内してもらう。デパート、学校、ショー・ウィンドウ、民家の外壁などに計25人の作品が点在するのだが、開発の進んだ北口ではビル内部での展示が多く、開発途上のゴチャゴチャした南口のほうが展示場所としてはおもしろい。ファーレ立川の、ビルが建ちそこなった地下空間には惹かれるものがあるが。更地に廃品となった家電製品を並べた王強、取り壊し予定の店舗や民家の外壁にコンビニ弁当のカラーコピーを貼りつけた飯田啓子がいい。
[10月31日(木) 村田真]
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Translucent 石黒猛作品展 |
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10/24~11/4 国際文化会館[東京] |
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入口を入った正面の大きなガラス窓の前に、四角い金属製の枠が設置されている。その下辺にはシャボン玉用の液体が貯められ、そこから金属棒が上にスライドすると、それにつられて透明な膜も上っていき、ある時点ではじける。つまり平面のシャボン玉ね。そのガラス窓の向こうの庭では、5分に1度ドーナツ型の煙が立ち昇る。謙虚ではかないインスタレーション。
[11月2日(土) 村田真] |
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もとみやかをる展 |
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10/9~11/9 ミヅマアートギャラリー[東京] |
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オーストラリア南東部の島、タスマニアでのアーティスト・イン・レジデンス体験からつくられた作品。タスマニアでは原生林がどんどん伐採され、紙の原料として日本に輸出されているらしい。それを取材したビデオと、都庁でシュレッダーされた書類の山や、日本人が使うトイレットペーパーなどによるインスタレーションで、紙について考える。ぼくの知り合いの版画家はタスマニアのレジデンスでひたすら版画制作に没頭していた。同じアーティスト・イン・レジデンスを利用しても、生まれる作品はさまざまだ。
[11月2日(土) 村田真] |
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ヴィフレド・ラム展 |
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10/26~1/13 横浜美術館 |
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にこブーとその母ブーとともに横浜へ。美術館に入ったとたん「はやくでよー」とわめき出すヤツがいたので、母ブーと交代で見ることに。そういえば、ヴィフレド・ラムで思い出したけど、にこブーの名前の候補に「ラム」ってのもあったんだ。アグネス・ラムじゃないよ。上から読んでも下から読んでも「ムラタラム」って。そしたら母ブーが「(本人が)結婚したり(その前にわれわれが)離婚して苗字が変わったら意味がなくなる」って反対したんだ。「にこ」だって無意味なのに。
[11月3日(日) 村田真] |
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カトリン・パウル展 |
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10/26~11/24 横浜美術館アートギャラリー |
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どっかで聞いた名前だなと思ってギャラリーに入ったら、日本の女性ばかり撮った写真で思い出した。昨年、現代美術製作所でグループ展をやったドイツのアーティストで、そのとき会ったんだ。同時開催のヨコハマポートサイドギャラリーでの展示はもっとおもしろそうだが、見に行けない。
[11月3日(日) 村田真] |
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海老塚耕一展 |
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11/1~30 神奈川県民ホールギャラリー |
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入場料を取られるので、妻子を山下公園前のMcDonaldに置いてひとりで行った。ギャラリー全館を使って新作がありあまるほど並んでいた。量は質を制す。チラシに、協力:「海老塚耕一展を成功させる会」実行委員会とあるが、なんだろう?
[11月3日(日) 村田真] |
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小山正太郎と「書ハ美術ナラス」の時代 |
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10/4~11/17 新潟県立近代美術館 |
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1カ月後に締切の『日本の美をめぐる42 高橋由一』の取材のため、akiko@shogakukanと長岡へ。駅から離れた場所にあるが、建物はずいぶんリッパだ。開設は1993年だから、やっぱりバブル美術館ですね。「書ハ美術ナラス」とは、美術と非美術が未確定だった明治初期(いままた不確定だが)に、長岡出身の小山が仕掛けた挑発的な論説を指す。これに岡倉天心が反駁して論争になったが、そんなことはどうでもいい。小山のほか、由一、フォンタネージ、浅井忠らの油絵に、日本画と書を加えた展示。由一は《栗子山隧道図(西洞門)》《山形市街図》という味わい深い2点。新潟に出て久しぶりに熱燗を飲む。これまた味わい深い。
[11月4日(月) 村田真] |
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