抜け殻になった図書館の書架や閲覧室を舞台にしたアートプロジェクト。最近このテの企画がやたら多く、しかも見てがっかりすることも多いのだが、これはコンセプトも場所の特性も作品もしっかり考えられていて好感をもてた。真っ白い本に参加者が書き込んだ世界に1部ずつしかない本、真っ暗な書庫に緑色に光る箱と流れる声、小説や詩の最初のフレーズを書き出した書、1冊の広辞苑を解体して並べたインスタレーションなど。 [11月16日(土) 村田真]